緊急雇用創出事業基金について、9月の委員会で、平成24年度の事業継続に伴う財源は国の第3次補正で検討されていると伺ったが、今回の32億9,000万円がその財源として本県に交付されるということでよいか。また、今回の追加交付にあたって、事業内容に変更があったか。
【就業促進課主幹(緊急雇用対策推進)】
今回の32億9,000万円の追加交付金は、委員発言のとおり、延長された基金事業の財源として交付されたものである。
また、事業内容についてはほとんど変更はないが、今回の追加交付が、東日本大震災の被災者の雇用機会の確保に加え、震災の影響や長期化する円高による経済活動の停滞に伴う雇用情勢の悪化に対応するために措置されたものであることから、雇用対象者が平成23年3月11日以降に離職した失業者に限定された。なお、3月11日以前に離職した方でも、3月11日以降にアルバイトやパートで少しでも働き、その後離職した方も対象となると国から聞いている。今後、ハローワークなどの現場での対応の中で幅広く運用してもらうことにより、できるだけ多くの方が対象となるように国と相談していきたいと考えている。
この基金事業は短期的な雇用を創出する事業であることは承知しているが、来年度は予算も少なくなることから、雇用された方がなるべく単純労働ではなく、今後の安定的な雇用につながるような仕事に従事できるような事業とする必要があると思う。
9月の委員会でも、これまで3年間の成果と反省を十分に踏まえ、次の就職につながるような効果的な事業の策定を要望したが、改めて、今後の事業計画を策定していくにあたっての考え方を伺いたい。
【就業促進課主幹(緊急雇用対策推進)】
今年度の基金事業費は約137億円であり、来年度はその4分の1程度となることから、事業を精査して実施する必要がある。
まずは、未就職者向けに実施している地域人材育成事業は優先して実施する必要がある。この事業は、未就職卒業者等を人材派遣会社で短期的に雇用した上で研修と職場実習とを組み合わせて就職を支援する事業で、直接、就職につなげる事業であり、国からも実施に配慮するよう通知が来ている。
また、国からは「被災地以外の県においては、単純労働を否定するものではないが、雇用した方が、事業終了後、将来的に安定的な雇用につながる配慮が必要であり、そうした観点から次の雇用までの短期の雇用機会の提供としてふさわしい事業であることを考慮して事業計画を策定してほしい」との要望がきている。
県庁各部局及び市町村に対しては、来年度の事業計画の募集に際し、この要望を踏まえた事業計画の立案を依頼しているところである。
財政状況の厳しい中で、この基金は雇用対策における貴重な財源である。基金事業の実施にあたって、事業全体を所管する労政担当局長の思いを伺いたい。
【労政担当局長】
この制度は、リーマンショックの際に文字通り緊急の雇用対策として平成23年度までの時限措置として創設された制度であり、元々今年度で終了予定となっていたが、東日本大震災と急激な円高を踏まえて1年延長され、今回の国の第3次補正の結果、本県に32億9,000万円が交付されることとなった。この基金は、厳しい本県の財政環境の中では、本県の雇用確保を図る上で虎の子の財源だと受け止めている。
今回基金に積んだお金の使途についてはこれから検討していくが、これまでの3年間の経験を踏まえ、産業労働部はもとより、県庁内各部局及び各市町村において適切な使い方を検討するようにしっかり働きかけるとともに、効果的な雇用創出を図っていきたい。