リニア中央新幹線に関する質問をします。
9月18日、JR東海が2027年開業予定のリニア中央新幹線の環境影響評価準備書を公表し、リニア新駅や関連施設の具体的な整備方針を明らかにしました。私が小さなころから「夢の乗物」として描かれてきたリニアがいよいよ現実のものへ、また一つ大きな階段を上ったと思います。そして、名古屋と東京が40分で結ばれる時代にこの愛知県はどのような地域に発展するのか。大きな期待に胸が膨らみます。その一方で、未知なる交通手段、工事方法なだけに不安があることも確かです。
私の地元、春日井市に関しては、17キロにわたって大深度地下等のトンネルで縦断し、市内に非常口4か所が設けられる予定となっています。現在、市役所等で環境影響評価準備書が閲覧できるほか、今月4回に分けて説明会が催される予定で、HPでの周知やチラシを全町内会に回覧するなど、JR東海、春日井市役所が連携してしっかり対応をいただいているものと思っています。今後はこうした機会を捉えて、様々な意見が出てくることになると思いますが、現時点でも非常口掘削に伴う残土処理はどうなるのか?春日井市東部に存在する亜炭採掘跡はどうなるのか?といった声も聞かれています。そこで、こうした県民の意見に対する県の対応について質問します。
始めに、これまで環境影響評価の手続はどのように進めてこられたのか、そして今後は、どのように進められる予定なのか伺います。
環境活動推進課
これまでのリニアに係る環境影響評価手続きについて、JR東海は平成23年9月27日に環境影響評価法に基づき、事業の実施にあたり調査・予測・評価する項目や手法を示した環境影響評価方法書を作成し、県に提出するとともに、公告・縦覧・住民意見の募集を行っています。
県は、JR東海から提出された住民意見の概要等を愛知県環境影響評価審査会に諮り、意見をいただいた上で審査し、平成24年2月23日に39項目からなる知事意見をJR東海に提出しています。
JR東海は、この知事意見受領後、方法書に基づき現地調査等を行い、環境への影響を調査・予測・評価した結果をまとめて、9月18日に準備書として県に提出したものであります。
今回提出された環境影響評価準備書の今後の手続きは、この事業により環境にどのような影響を及ぼすか、その環境影響をどのように回避・低減し、影響がある場合はどのように環境保全措置がなされているかについて、住民意見の概要、関係市長の意見や県が実施する公聴会の結果を踏まえて、専門家で構成される愛知県環境影響評価審査会に諮り、環境保全の見地から審議をいただいた上で、JR東海に知事意見を提出したいと考えています。
この知事意見を提出した後、JR東海は知事意見等を踏まえて評価書を作成し、許認可権者である国土交通大臣に評価書を提出します。国土交通大臣は、環境大臣に意見を聴いた上で、国土交通大臣意見をJR東海に提出し、この意見に基づきJR東海は補正評価書を作成し、1か月間公告・縦覧することで環境影響評価法に基づく手続きが終了するという流れとなっています。
次にJR東海に対して県民が意見を言う手続はどのようになっているのか伺います。
環境活動推進課
JR東海から9月18日に県に環境影響評価準備書の送付があり、9月20日から10月21日までの1か月間、公告・縦覧手続きが行われています。
この縦覧期間中に環境影響評価法に基づくJR東海による説明会が、委員から説明のあったとおり、名古屋市内2回、春日井市内4回の計6回開催されることとなっています。
また、この縦覧期間に2週間を加えた期間、11月5日まで、県民は、JR東海に対して環境影響評価準備書について環境保全の見地からの意見を提出することができることとなっています。
県民からJR東海に寄せられた意見は、意見募集期間の後に、JR東海が、意見の概要としてまとめ、これにJR東海の見解を加えたものを県に提出することになります。
最後に、県は県民の意見をどのように配慮していくのか伺います。
環境活動推進課
JR東海から提出された住民意見や県が実施する公聴会の結果は、専門家で構成される愛知県環境影響評価審査会に諮り、その上で環境影響評価準備書の内容を慎重に審査し、環境保全の見地から適切に知事意見を提出したいと考えています。
冒頭申し上げた通り、リニアに対して大きな期待を持っています。その一方、出来る限り住民のみなさんの不安を取り除くことは事業主体のJR東海が行うことはもちろんですが、行政や私たち議員もしっかり対応しなければならないと思います。
このため、県として環境保全の見地からしっかり審査されることを要望して質問を終わります。