平成29年健康福祉委員会質問(2017.6.27)

【日比たけまさ委員】

 重度心身障害児者の施設整備についてであります。24日の本会議にて高木ひろし議員から障害者の生活で質問がありました。この答弁の中で「平成26年度に障害者福祉減税基金が創設され、平成25年の382床から694床に拡充することができた」とありました。これまでどのように拡充したのでしょうか。また、どれだけ基金を活用して、基金の残はどれくらいあるのでしょうか。

【障害者施設整備室長】
 平成25年に本県の重症心身障害児者施設の病床数は382床で、人口1万人あたりで比較しますと全国で最下位にありました。このため、平成27年4月には名古屋市の重症心身障害児者施設ティンクル名古屋が90床、平成28年1月に県内初となる民間施設の一宮医療療育センターの120床、平成28年4月には県立三河青い鳥医療療育センターの90床、そして、平成29年7月に開所を予定している県内2か所目の民間施設の信愛医療療育センターの64床を整備してまいりました。この整備によりまして、コロニー再編計画によりますこばと学園の60床の減少を差し引いても、8施設694床となる予定であります。
 このうち、障害者福祉減税基金としては、平成28年1月に開所しました一宮医療療育センターの整備に12億8千4百万円、平成29年7月に開所いたします信愛医療療育センターの整備に8億6千4百万円を活用しました。また、心身障害者コロニーはるひ台学園に入所する重度の知的障害者の移行先施設として、平成29年7月に開所いたします障害者支援施設はるひ荘の整備費に1億7千万円を充当し、これまでに合計で基金から23億1千8百万円を活用したところであります。
 従いまして、基金の残額といたしましては、積立額30億円と利子を加えて、この活用した額を除いた6億8千6百万円であります。

【日比たけまさ委員】

 現在の県内における重度心身障害児者の数はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

【障害者施設整備室長】
 重症心身障害児者は、重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している方々であります。県内の重症心身障害児者の人数は、平成29年4月1日現在で3,485人であります。
 このうち名古屋市分の1,201人は、平成28年6月1日時点の数値であります。

【日比たけまさ議員】

 今、3,485人ということで、全ての方が当然、施設に入るわけではないというのは理解するものの、694床というのは、まだまだ不十分でないかという印象を持ちます。残り6億8千万余の障害者福祉減税基金の活用を含めまして、今後の予定というのはどのように考えられているのでしょうか。

【障害者施設整備室長】
 重症心身障害児者施設の整備計画といたしましては、平成29年7月の信愛医療療育センターの開所を持ちまして、平成27年3月に策定いたしました現在の第4期愛知県障害福祉計画に定める施設整備については、計画どおりに整備したところであります。しかしながら、重症心身障害児者のうち、今なお多くの方が在宅において介護を受けながら生活しておられます。障害者及びそのご家族の方々は、年々高齢化しており、ご家族の介護負担が増加している状況であります。
 なお、新たに整備しました重症心身障害児者施設においては、整備した病床に必要な医療従事者を一気に確保することが困難なため、段階的に病棟を開所している状況にあります。こうした状況を踏まえまして、また障害者福祉減税基金に残額がありますことから、県民ニーズや新たに開所した重症心身障害児者施設の運営状況をみながら、今後、さらなる施設整備について、計画してまいりたいと考えております。

【日比たけまさ委員】

 今、病床数は694ということでありましたが、そこまでの医師が確保できていないということです。実際、運営できるのはどれくらいの病床数でしょうか、お伺いします。

【障害者施設整備室長】
 実際に運用できる稼動病床は、536でございます。

【日比たけまさ委員】

 医師の確保が早急な課題というふうに認識しましたけれども、整備計画というか、目途はたっているのでしょうか。

【障害者施設整備室長】
 現時点で、医療人材の確保につきましては、それぞれの施設で取り組んでいるところでございます。特に医師の確保つきましては、かなり苦労しておりまして、名古屋大学の障害者医療学寄附講座を通じまして、その辺をお願いしているところであります。
 看護師等につきましても随時募集をしている状況であります。医療人材につきましては採用できる段階で、前倒し採用をしておりまして、順次というよりも、できる限り早急に前倒しで採用してまいります。

【日比たけまさ議員】

 ハードの施設は整ったものの、その人材確保が大変だということを認識しました。ここは本当にしっかりやっていただきたいということを要望します。
 また、これでなんとなくひと段落みたいな印象はぬぐえません。根本的にはまだまだ施設が足りているわけではありませんので、障害者福祉減税基金の残を含めまして、一刻も早く整備計画を作っていただくことを要望して、終らせて頂きます。