「決算に関する報告書」87ぺージの「東海自然歩道整備費」についてお尋ねする。
平成28年度の決算額は27,821,160円であり、平成27年度の決算額7,715,440円から、大幅な増額となっているが、支出の内容はどのようなものか。また、どのような理由で大幅な増加となったのか。
【自然環境課主幹】
この「東海自然歩道整備費」は、国から自然環境整備交付金の交付を受けて、東海自然歩道の老朽化した施設の改修工事を行うものである。
平成28年度の支出の内容としては、豊田市及び設楽町内での便所の改修工事で21,023,280円、新城市内での桟橋及び鋼製階段手摺の改修工事で5,270,400円、豊田市内での木橋及び鋼製歩道手摺の改修工事で951,480円をそれぞれ支出しており、それに事務費の576,000円を加えて、合計で27,821,160円の支出となっている。
平成28年度の決算額が平成27年度に比べて、大幅に増額となった主な理由としては、便所の改修が1箇所から2箇所に増えたことと、新城市内の桟橋や鋼製階段手摺の改修工事が500万円を超える大規模な改修工事になったことによるものである。
東海自然歩道を維持管理していくためには、今の様な大きな整備も必要だが、日頃の管理も大切だと思う。こうした日々の管理はどのように行っているのか。
また、今年も様々な自然災害があり、台風など予期しないことで、倒木が起きたりすることもあると思うが、どのような対応をしているのか。
【自然環境課主幹】
先ほどの「東海自然歩道整備費」とは別に、東海自然歩道の維持管理を行うための予算として「東海自然歩道運営費」18,138,000円があり、この予算により、東海自然歩道が通る6市1町へこの維持管理を委託するとともに、台風などで起きる倒木処理など、小規模な歩道の修繕を行っており、修繕費については毎年90万円程度を計上している。
なお、関係市町には、この委託契約の中で、歩道のパトロール、便所の清掃・汲取り、休憩施設・屑入の清掃、カン・ビン類の処分、草刈り、簡易な修繕等をお願いしており、安全で良好な状態を維持している。
台風などの倒木での対応としては、例年90万円程度の予算額とのことだが、予算額が心もとない気がする。これだけの予算で十分に対応ができているのか。
【自然環境課主幹】
倒木が発生すると、維持管理をお願いしている市町のパトロール員が現場を確認に行き、委託の範囲内に収まる「簡易な修繕」のレベルであれば、市町村に対応をお願いしているところである。
また、委託の範囲を超えるものであれば、市町村で歩行者などへの注意喚起などの応急措置を取っていただいた上で、市町村から県に連絡をいただくこととしている。
県では、連絡を受けたら速やかに現場に出向き、被害状況と当面の安全確認を行い、倒木処理等の対応を適切に行っているところである。
最後となるが要望をさせていただきたい。
東海自然歩道は、気軽に自然に親しめる場として多くの県民に親しまれている。皆さんに安心して訪れてもらえるよう、これからも地元市町村とよくよく連携をして維持管理を行っていって欲しい。
また、台風などで倒木などもあると思うが、安全管理は非常に大切なので、現地の状況を迅速に把握して、県としてしっかりと対応をするようお願いしたい。
「決算に関する報告書」87ページの「鳥獣保護管理事業費」のうち「鳥獣保護管理事業計画策定費」についてお尋ねする。
先日、私の地元の春日井市のニュータウンでイノシシが三日間立て続けに出没しており、生息範囲が広がっているように感じている。
昨年度、イノシシやニホンジカなどの個体数の管理を行う5年間の計画である第二種特定鳥獣管理計画を新たに策定したとのことだが、これまでの計画から見直したポイントは何か。
【自然環境課主幹】
近年、イノシシやニホンジカなど一部の鳥獣については、著しい生息数の増加や生息域の拡大などにより、自然生態系への影響や農林業への被害が深刻化している。これに対応するため、本県では、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザル、カモシカについて、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づき「第二種特定鳥獣管理計画」を策定し、その生息数や生息域の適正な管理をしている。
今回の見直しのポイントは、捕獲目標数を大幅に増加したことである。ニホンジカは平成27年度に3,800頭、イノシシは平成26年度に9,400頭が既に捕獲されていることから、これらの実績を踏まえて、捕獲目標数をニホンジカについては年間1,400頭だったものを5,000頭に見直し、イノシシについては年間5,000頭だったものを10,000頭に見直している。
この目標を達成するために、ニホンジカのメスの捕獲数を1日1人あたりの上限を2頭から無制限にするなど規制を緩和するとともに、イノシシについては、対象区域に春日井市、犬山市及び田原市を加え、11市町村から14市町村へ拡大している。
今回、春日井市を始め3市がイノシシの第二種特定鳥獣管理計画の対象区域に入ったとのことだが、その経緯はどのようなものか。
また、対象区域に入ることで、市町村にどんなメリットがあるのか。
【自然環境課主幹】
第二種特定鳥獣管理計画の策定に向けて、平成27年度にイノシシの分布状況を調査したところ、春日井市、犬山市及び田原市に生息分布域が拡大していることが分かった。
それを踏まえ、各市の意向、専門家による検討会での検討を行い、パブリックコメントによる県民からの意見をお聞きした。さらに環境審議会の審議を通じて、この3市が対象区域に入ることに反対意見がなかったことから、今回の策定により対象区域に入ることとなった。
対象区域に入ることの主なメリットは、対象鳥獣の捕獲許可について、農林業被害等に係わらず捕獲を進めることができる点である。第二種特定鳥獣管理計画の対象区域に入っていることで、各市町村は市町村実施計画を作成し、年間を通じて対象鳥獣の捕獲を計画的に進めることができる。
今回策定した第二種特定鳥獣管理計画をより実効性のあるものにするために、どのようなことに力を入れて鳥獣の管理を進めていくのかお尋ねしたい。
【自然環境課長】
第二種特定鳥獣管理計画を実効性のあるものにするため、計画の進捗管理をする環境部と農林業被害対策を講じている農林水産部が連携して取り組みを進めていく。また、県環境部、農林水産部、地元市町村、農林業団体、県猟友会等で組織されている連絡協議会を引き続き定期的に開催し、情報共有を行い、しっかりと連携を図っていきたい。
さらに、毎年度、イノシシ等の生息状況や農林業被害状況、捕獲実績等をモニタリングし、専門家の指導・助言を得て、どこで捕獲を進めていくべきか、きめ細かく把握・分析していく。それを関係市町村へ提供し、市町村が年度毎に策定する市町村実施計画に反映していただくことで、鳥獣の管理を徹底してまいりたいと考えている。
PCB廃棄物の処理について伺う。「ア 推進指導費」において、「県内事業所におけるPCB含有機器の保有状況を把握するためのアンケート調査を実施した。」とあるが、県内事業所におけるPCB廃棄物の処理について県はこれまでどのような事業を行ってきたか、お尋ねする。
【廃棄物監視指導室長】
平成13年7月に「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が施行されて以降、県は、事業者向けの説明会、パンフレットの配布、各種広報誌への掲載など、PCBの適正処理に向けて、広く啓発をしてきた。
更に本県は、法令で定められた期間までにPCB廃棄物等の処理が完了するよう、使用・保管事業者を把握するための掘り起こし調査を進めており、平成25年度に自家用電気工作物設置者27,874者に対して、PCB含有の変圧器、コンデンサーの保管・使用状況等のアンケート調査を実施した。このうち、未回答者など13,182者に対して平成28年度に再度、アンケート調査を実施した。
アンケート調査の結果、PCB含有の変圧器等を所有し、PCB特別措置法に基づく届出を実施していない事業者に対しては、立入調査などにより届出を指導するとともに、高濃度PCB変圧器、コンデンサーについては平成34年3月31日まで、安定器等については平成33年3月31日までと法令で定められた期間までに確実に処理されるよう、更に処理するまで適正に保管されるよう指導を行っている。
処分期間までにPCBを確実に処分するため、今後、県はどのような事業を行っていくのか。
特に中小企業にとっては大きな費用負担となり、処理に難色を示す中小企業もいると思われるが、どのような対策を進めていくか、お尋ねする。
【廃棄物監視指導室長】
今後とも啓発に努めるとともに、掘り起こし調査や立入検査を進めていく。更に、環境省、経済産業省、中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)などの関係機関との連携を一層強化し、確実な処理の実現を図っていく。
中小企業に対しては、本県も出えんしている「PCB廃棄物処理基金」から、法人には処理費用の70%が、個人事業主には95%が軽減される。
中小企業に対しては、立入調査実施時に負担軽減措置について説明するとともに、処分期間を過ぎると事実上処分することができなくなることを丁寧に説明することなどにより、処分期間内の処理に理解を得ていきたいと考えている。
「県有施設PCB廃棄物処理費」が、平成27年度に比べて大きく増額されている。
県有施設PCB廃棄物はこれまでどれだけ処理されており、今後、処理する量はどのくらいか、お尋ねする。
【廃棄物監視指導室長】
県(知事部局、教育委員会、県警本部、病院事業庁、企業庁、公立大学法人)が有する高濃度PCB廃棄物のうち、変圧器及びコンデンサーについては、平成28年度までに553台を処理しており、28年度末で34台を保管している。
県が有する安定器については平成28年度から処理を開始しており、28年度に2,943kgを処理し、28年度末で152,600kgを保管している。
平成28年度の処理費が27年度に比べて大きく増額しているのは、本県内の安定器の処理についてJESCOの受入れが平成27年度から開始されたことから、本県では28年度から安定器の処理を開始したことによるものである。
平成28年度末で、県有施設PCB廃棄物のうち変圧器及びコンデンサーについては34台、安定器については152,600kgが保管中との説明があったが、処分期間までに全てを処理できるのか、お尋ねする。
【廃棄物監視指導室長】
変圧器及びコンデンサーは平成34年3月末の処分期間、安定器は平成33年3月末の処分期間に向けて、計画的に処理を進めていく。