平成29年6月定例議会の代表質問で、あいちはぐみんプラン2015-2019における保育士の目標数と実態との乖離について質問した。知事から、保育士の必要数が急激に増えていることも踏まえて、早急に見直しを行うとの答弁があり、その後に大幅に上方修正した。
あいちはぐみんプラン2020-2024では、保育士の必要数をどのように算出しているのか。また、国の保育士の配置基準を加味しているのか。
【子育て支援課長】
本年策定した、あいちはぐみんプラン2020-2024の中で、2024年までに保育士の数を常勤換算で3万人を目指す目標を掲げている。昨年10月時点の常勤換算した保育士の数が2万6,887人であり、あと4,000人ほどの増員である。これは、各市町村の子ども・子育て支援事業計画等で保育の量の見込みなどを住民のニーズを基に把握しており、それに基づいて足りない保育士を確保していく計画になっている。
より手厚い保育のため、国を下回らない独自の基準を設定している自治体もあると聞くが、本県ではどの程度の市町村が独自の配置基準を設けているのか。
【子育て支援課長】
本県では、低年齢児の待機児童数が多く、低年齢児が年度途中で保育所に入所するときに、配置基準を超えた保育士を配置するために必要となる経費を助成する制度を独自に設けている。本制度を利用する市町村数は21市町村であり、79施設が配置基準を超えた保育士を配置している。
保育士の基準はあると思うが、現場からは、食物アレルギーの子供や障害の疑いのある子供などが入所すると、人手を取られてしまうと聞いている。
現場は、現在算出している数よりも多くの人手を必要としているが、保育士の数が追いついておらず、時間帯による要件緩和等を行っているとも聞く。問題は深刻であることを県と市町村が認識し、現場の状況を考慮した必要数、目標数を設定していくべきではないか。
処遇改善については、様々な施策により年々改善されているが、年度途中も含めてかなりの保育士が毎年辞めている。離職率と離職の理由の主な要因を伺う。
【子育て支援課長】
平成30年度の社会福祉施設調査によると、本県の常勤保育士の離職率は9.78パーセントで、全国平均の9.01パーセントより高い数値となっているものの、産業全体の常勤労働者の離職数は14.6パーセントなので、他の産業よりは低くなっている。
離職の理由については例えば時間外勤務の多さや、人間関係、待遇的面での不満などが取り上げられている。
保育園の職員からは、自分が思っていた保育士のイメージよりも現場が大変で、こんな大変な仕事だったら辞めたいとの声をよく聴く。学校側は、学生数を確保するため、保育園はすごくいいところだと宣伝して人材を集めるが、現場に行くとギャップについていけなくなる。学校に通っている時点で本当に保育士に必要なスキルが身につき、大変な仕事であることも理解してもらうことも大切である。また、離職理由を一つ一つ丁寧に分析しながら、解決していく必要がある。
市町村と連携し、どこの現場で人材が不足しているのか、何が理由で離職しているのか、問題の深刻さを踏まえ、施策として盛り込んでほしい。