今後本格化する64歳以下の人への接種では、これまでの高齢者への接種とは異なる状況を考えておかなければならない。例えば平日の昼間の利用は少なく、夜間や土日に利用が集中することや、かかりつけ医を持たないことにより集団接種会場の希望が多くなることが想定される。64歳以下の人に対する接種を円滑に進めるため、県はどのような対応を考えているか。
【ワクチン接種体制整備室長】
現在、県の大規模集団接種会場のうち、名古屋空港ターミナルビルでは午後9時まで、藤田医科大学では午後10時まで、また、新規開設した愛知医科大学メディカルセンターと藤田医科大学岡崎医療センター、今後開設する豊橋中央会場の三つの会場では平日は午後8時まで、接種を実施することとしており、終業後も利用しやすい時間帯を設定している。
また、本日開設したバンテリンドームナゴヤを除く全ての会場で、土曜日、日曜日にも接種を実施している。バンテリンドームナゴヤでも、イベント等の開催状況に応じて土曜日、日曜日も接種を実施しているが、その他の施設については、毎週土曜日、日曜日に接種を実施しており、平日に接種を受けられない場合でも利用しやすい曜日設定としている。
一方で、バンテリンドームナゴヤは、ナイトゲームやイベントの開催等との兼ね合いがある。また、西三河地域に開設した安城厚生病院など、外来スペースで接種を実施している会場は、接種時間の変更が難しい場合がある。会場ごとに個別の事情はあるが、県として、県民の利用状況等を踏まえながら、今後可能な範囲で柔軟に対応できるよう検討していきたい。
柔軟に対応してほしい。私は、令和3年5月臨時議会で行った議案質疑の中で、今後ファイザー社のワクチンとモデルナ社のワクチンの誤接種が起こり得るかもしれないことを踏まえ、安全かつ確実なワクチン接種の実施に向けた市町村との連携を伺った。先日、他県でこうした誤接種が実際に発生したところである。県では、同じ会場でファイザー社とモデルナ社の両方のワクチンを使用する会場もあると聞いているが、こうした会場では、誤接種防止に向けてどのような対策が講じられているか。
また、これまで市町村の接種がファイザー社のワクチンで実施されてきた中で、今後、モデルナ社のワクチン接種が増えてくると、市町村の集団接種会場、さらには個別接種を実施している各医療機関でも混乱が生じかねないことを不安視する市町村もあると聞いているため、こうした点について県の考え方を伺う。
【ワクチン接種体制整備室長】
県の大規模集団接種会場である安城更生病院では、木曜日を除く平日の午後2時から午後4時まで、2階でファイザー社のワクチンを使った安城市の接種を実施している。一方、病院内の県の大規模集団接種の会場は、土曜日と日曜日の午前9時から午後5時まで、フロアを変えた1階の外来スペースとし、モデルナ社のワクチンを使った接種を実施している。ファイザー社のワクチンとモデルナ社のワクチンの誤接種が起こらないよう、実施日や実施時間を変えるとともに、実施場所についても階を分け、ワクチン管理が別々で行えるようしっかりと対応している。
また、名古屋空港ターミナルビルについては、名古屋市から、空調が整った会場が確保できないため名古屋空港ターミナルビルの3階を借り受けたいと申出があったことから、7月と8月の土曜日、日曜日に3階の会議室で、ファイザー社のワクチンを使用した名古屋市の集団接種を実施している。2階ではモデルナ社のワクチンを使用した県の大規模集団接種を実施しているが、県の会場の入口には、県だけでなく名古屋市の職員を配置し適切に案内するとともに、それぞれの会場の受付で、どちらの会場の予約を取ってきたか、1回目の接種か、2回目の接種か、さらには対象となる接種者であるかなどについて、また、2回目の場合は1回目の接種済証などにより確認し、誤接種が起きないようしっかり対応している。
市町村における誤接種への懸念については、現在、半田市立半田病院とパロマ瑞穂スタジアムでモデルナ社のワクチンが使用されているが、基本的には、市町村の接種、各医療機関での接種ではファイザー社のワクチンのみが使用されているため、心配に及ばないのではないかと考えている。
接種を進めていくためには、まず、市町村がしっかりと計画を立てられることが重要である。ワクチンの供給量に応じて接種ペースが変わることが一番非効率であり、せっかく確保した打ち手も無駄になってしまったり、予約のキャンセルへの対応に人的資源が割かれたりすることはあってはならないことなので、県として直接的な対応は難しいと思うが、市町村としっかり連携を取るとともに、国へも働きかけをしてほしい。