ますだ裕二委員の質問に対する答弁であった回復期の転院病院176病院について、受入れの実績を伺う。
【医務課長】
本年5月に実施した調査によると、本年1月から4月までの4か月間で、67病院が284人の転院を受け入れている。
入院がなかなかできない現状の理由の一つに、入院の長期化があると思う。円滑な転院のためには、どのような課題があるのか。
【医務課長】
回復期にあっても引き続き入院が必要となる場合の転院先として、県内176の病院から、厚生労働省の退院基準を満たした場合の受入れに協力を得られることになっており、病院が実際に受け入れた際には、受入患者1人当たり10万円を支給している。また、この受入病院の名簿を毎週更新しており、新たな病院が追加された場合には、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている県内の医療機関との情報共有を図っている。こうした取組により、現時点では、退院基準を満たした患者の引受けはできていると考えている。
病床確保に尽力していることは承知しているが、今後、新規の病床確保が難しくなった場合に備えて、入退院の円滑化を図ることが大変重要となる。地域の病院が感染症指定医療機関の後方支援に取り組む墨田区モデルでは、入院待機がないと報道されており、こうした取組を注視して、改善を図ってほしい。
次に、30代や40代の患者でも重症化することがある中、保護者が入院する場合の子供への対応として、まずは親戚などの身内へ預けることになると思うが、預け先がない場合の県の対応について伺う。
【児童家庭課長】
県では、保護者が新型コロナウイルス感染症に感染し、子供の療育、養育が困難な家庭については、保護者が退院するなど養育環境が整うまでの間、県所管の児童相談センターが一時保護所において子供を保護することとしている。昨年4月から体制を整えて対応しており、現在までに26世帯、49人の子供を保護している。
その対応は、円滑に行われているのか。子供を保護してもらえるので、保護者は安心して療養に専念できるような状況であるのか。
【児童家庭課長】
保健所とも相談、連携しながら、必要な家族に対しては、県児童相談センターで一時保護をしている。
保健所における自宅療養者への健康観察の方法を伺う。
【医療体制整備室担当課長】
保健所では、職員による電話又はメールによる健康観察のほか、国のシステムで自動的に患者に電話がかけられ、音声メッセージによる健康観察を行っている。
保健所業務が非常に多忙になっている中、状況を速やかに把握することが重要である。その方法として、スマートフォンの活用が考えられるが、スマートフォンを活用する上で課題はあるのか。
【医療体制整備室担当課長】
国のシステムでは、スマートフォンを持っていない人でも対応できるため、こうしたものを活用しながら対応できていると考えている。
保健所業務が非常に多忙になっているので、少しでも軽減できることがあれば検討してほしい。また、個人の疫学調査は終えているものの、集計作業が追い付いていないと聞いている。感染源の分析は大変重要と考えているが、感染源を分析できていない現状についてどのように認識しているのか。
【医療体制整備室担当課長】
新型コロナウイルス感染症患者との接触歴の有無は公表しているが、詳細の公表は省略している。しかし、家族や職場など、感染源の区分での調査はできているため、時点ごとの集計は可能な状態である。
全体としての集計、分析は、県民への情報発信の基となるデータになることから、業務の負荷となることは承知しているが、対応してほしい。