第 130 号議案「愛知県名古屋飛行場条例の一部改正について」何点か質問確認をさせていただく。
まずは、今回の条例改正の趣旨を伺う。
航空対策課
県営名古屋空港へのコミューター航空就航にあたっては、地元からの強い要請もあって、開港当初から、コミューター航空の維持・定着を目的に、就航する航空事業者の経営状況、旅客の利用実態を踏まえながら、着陸料を始めとする減免の特例措置を続けてまいりました。
今回は、この前提を踏まえつつ、この特例措置についての改正をお願いするものでございます。
大きく分けて2点ございまして、1点目は、着陸料、業務施設使用料、いわゆる事務室の使用料についてですが、コミューター航空会社に対する直接支援として、着陸料を1/3に減免、業務用施設使用料月・㎡あたり4,600円を約1/3の1,700円としている現行の措置を、引き続き3年間継続するものです。
FDAは、現在、全国7都市1日17往復にまで路線を拡大するなど大変好調ではありますが、採算はまだまだ厳しいため、路線運営にかかる直接の経費を減免することで、路線の維持・定着を図るものでございます。
次に2点目ですが、空港の駐車料金についてです。現在、一般の利用者の方々には、1時間100円、一日最大800円、コミューター旅客にあっては、120時間まで無料としております。今回の改正案では、一般の利用者は、一日の最大料金を周辺実勢価格に合わせ1,000円とし、また、コミューター航空利用者に対しては、バスなど公共交通機関への転換を図るため、1日目は一般と同様に1,000円、その後の加算は500円刻みとし、3日目の2,000円を上限として、14日間まで同一料金とする特例措置を3年間適用するものです。
その他、GW、お盆、年末年始などの混雑期については、割増料金を導入いたします。
併せて、送迎の利用客に配慮するため、入庫1時間まで無料の措置を新設するものでございます。
なぜ公共交通利用へシフトさせる必要があるのか伺う。
航空対策課
コミューター旅客は、平成25年度に60万人を突破し、開港直後の約2倍になっております。それに伴いまして、GW、お盆、年末年始などの混雑期はもとより、3連休など日並びのいい連休等においても、駐車場の台数が不足する可能性が出てきております。
駐車場が満車になりますと、最悪の場合、お客様の航空機への乗り遅れが発生するなど、空港の円滑な運営に支障をきたす恐れもありますので、できる限り公共交通への転換を促し、駐車場への負荷を減らしたいと考えております。
平成25年9月の当委員会で当時、補正予算案として提案されていた県営名古屋空港の立体駐車場の整備に関連して、「駐車場の需要の見込みと台数を増やす考えはあるのか」と質問したが、「ピークに合わせることは過剰投資」との答弁だった。駐車場整備のタイミングであったが、台数を増やさず公共交通手段にシフトするという考えに至ったのはなぜか、改めて伺う。
航空対策課
現在の駐車場の利用状況は、平常時が平均700台~800台であることから、工事着手前の同水準の1,350台の規模で整備することとしたものです。駐車場が満車になる恐れのあるピークは、GW、お盆、年末年始の期間など年に数度であり、駐車場のピークに対応した整備は際限がなく、現状の利用状況では、過大投資になるのではないかと考えております。
バス等の公共交通への転換を促進いたしますのは、公共交通の需要の拡大を図っていけば、名古屋空港の主要な公共交通手段であるバスアクセスの維持・定着にもつながるものであり、車、バスを含め、全体としてバランスをとれた空港アクセスを実現させていくことが、利用者の利便に資するものと考えております。
空港利用者の地域別比率及びアクセス手段比率を伺う。また、公共交通機関のバス路線毎の利用状況を伺う。
航空対策課
まず、地域別比率につきましては、本年度の始めに、指定管理者である名古屋空港ビルディング㈱が調査したところによりますと、愛知県からの利用客が53%、岐阜が11%、三重が6%で、東海三県で約70%を占めております。
愛知県の中での地域別割合は、愛知県全体を100とすると、名古屋市内の方が43、名古屋市を除く尾張地方からが34となっております。
2番目のアクセス手段比率につきましては、同じ空港ビルディングの調査では、駐車場利用の自家用車は41%、路線バスは25%であります。県が23年度に調査したデータがありますが、調査の仕方が違いますので一概には比較できませんが、その際は、自家用車が48%、路線バスは22%ですので、バスの利用が少し増えております。
3つ目の路線バス毎の利用状況につきましては、県営名古屋空港に運行しているバスは、名古屋駅、JR勝川駅、名鉄西春駅からの3路線があります。
まず、名古屋駅では、1日往復76便でして、25年度実績は1日当たり446人、対前年比、平成25年度と24年度の比較ですが、124.5%となっております。
勝川駅は、1日往復39便、25年度実績1日当たり55人、対前年比133.7%となっております。
西春駅につきましては、名鉄バスが運行しておりますが、1日往復70便、25年度実績1日当たり73人、対前年比106.7%という状況です。
勝川駅からのバスについて 1 日に 39 便と、地域の方に利用していただける状況には、至っていないと思う。
小牧地域に至っては、目と鼻の先に空港があるにもかかわらず、バス路線すらない。公共交通機関の利用促進といわれても、手段がない地域が沢山ある。
これまで公共交通利用向上のためにどのような取組を行ってきたのか。 また、今後利用率をどの程度まで上げる考えか。
そのためにどのような取組を行っていくつもりなのか既存路線の拡充あるいは新規路線の検討といった点を交えて伺う。
航空対策課
これまでの取組については、公共交通機関の利用を高めるためには、便数増やルートの多様化など公共交通の利便性を高める必要があり、バス事業者に対しては、これまでも増便等をお願いしてきているところでございます。
また、公共交通利用を促すため、混雑期を中心に指定管理者とも連携しながら、広報あいち・市町村の広報への記事掲載、新聞広告やCATV・ラジオなどでのPR、主要駅へのポスター掲示などを行うなど幅広くPRしているところです。
利用率向上目標、今後の取組については、今後の公共交通の利用率の具体的な目標数値は立てておりませんが、このところのFDAの旅客の伸びを見ると、立体駐車場が年末に稼働いたしましても、混雑期などのピーク時には駐車場が不足することが懸念されます。
引き続き、公共交通機関を利用いただくようPRに努めるとともに、例えば、地域で行っておりますコミュニティバスの路線延長も含めたバス路線の拡充を働きかけるなど、適切なアクセス環境を確保するよう努力してまいりたいと考えております。
使用料の料金設定について、近隣地域で1,000円/日という水準はほとんど見ない。
空港より地価の高い勝川駅周辺でも500~700円/日が相場。何を持って料金設定されたのか。
航空対策課
料金を検討するに当たっては、JR中央線、名鉄犬山線、名鉄小牧線の名古屋空港の近隣主要駅に近接した民間駐車場56箇所の調査を致しました。
その結果、24時間当たりの金額では、安いところでは500円未満、高いところでは2,000円を超える金額と、相当のばらつきがありました。
平均いたしますと約1,000円という結果であり、1,000円とさせていただきました。
加えて、24時間を超えた料金では、48時間が平均約3,300円、72時間では、約5,600円という結果でありました。
今回、ご提案申し上げているコミューター旅客の料金案は、1日1,000円、2日目で1,500円、3日目から14日目までは2,000円とさせていただいており、ご旅行等で何日かお停めになるという空港利用者の特性から、2日目、3日目等で比較いたしますと、決して高い水準ではないかと考えております。
リニモの利用促進という観点から何点か質問をさせていただく。リニモの利用促進策としては、これまでも様々取り組んでこられたところであるが、例えば、大井川鉄道では、この夏から機関車トーマスを模した本物の蒸気機関車を運行して大人気となっているし、南海電気鉄道でも、4月末から約2か月の期間限定で、アニメ「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」とタイアップした「特急ラピート ネオ・ジオンバージョン」を運行し大好評を博した。こうした、今、ブームとも呼ぶべき現象が起きているが、リニモの利用促進という観点からどのようにこの現象をとらえているのか伺う。
交通対策課
車両そのものに装飾を施すキャラクター列車についてである。
今年に入り、機関車トーマスや機動戦士ガンダムなどのキャラクターを取り入れた車両が好評を博していることは存じている。こうした車両の訴求力は高いものがあり、家族連れやキャラクターのファン、鉄道ファンなど幅広く支持を得ていることから、利用促進の観点からしても大変、有効なものであろうと考えている。
リニモにおいても、昨今のアニメ人気に呼応し、キャラクターをラッピングしたリニモを5編成運行している。具体的には、愛知県が取り組んでいる「愛知ぽぷかる聖地化計画」のイメージキャラクター「ぽぷかるちゃん」たちや、株式会社トミーテックが中心となって展開している、実際の鉄道事業者の現場で活躍する女性をモチーフにしたキャラクターの「鉄道むすめ」、さらには知多地域のPRキャラクターである「知多娘。」などのラッピング車両を走らせているところである。これらのキャラクターは、TVなどの人気キャラクターと同レベルの集客力を期待することはできないが、今後ともPRに努め、知名度の向上とリニモの魅力向上を共に図り、新たな需要の拡大、利用促進につなげてまいりたいと考えている。
先日、10月1日つまり本日から通学定期券の利用範囲を拡大するとの発表が、愛知高速交通㈱からあったが、これは具体的にはどのような内容なのか。また、この取組における狙いはどういったところにあり、その効果についてどのように考えているのか伺う。
交通対策課
これまでの通学定期券は、学生が通学のために、居住地の最寄駅と学校最寄駅の区間についてのみ購入することが可能であった。今回、新たに企画された新・通学定期券では、アルバイトや買い物など利用目的が自由となり、学生であれば誰でも任意の区間の定期券を通学定期券の料金、すなわち6割引で購入できる制度で、本日から発売が始まっている。リニモは沿線に大学が多く存在しており、利用者の約半分が学生となっているが、大学周辺に居住するなど、通学ではリニモを利用しない学生も少なくない。そうした学生が、アルバイト等でリニモを利用する際などの運賃負担を軽減することで、日常的にリニモが利用しやすくなることを狙いとしたものである。
効果については、先行して同様の取組を実施している名古屋市の地下鉄では、一定の利用者増加の実績があったと聞いているので、リニモにおいても新たな需要の掘り起こしにつながることを期待しているところである。
最後に、リニモには「貸切リニモ」という通常の列車とは異なる特別なリニモがある。先日春日井市内にある2つの障がい者団体がイベントでこの「貸切リニモ」を利用された。乗車後に感想を伺ったところ、「普段、多くの方が乗車する鉄道には抵抗があるが、貸切リニモは気兼ねなく乗ることができて、本当に楽しかった。」と言う意見や、「子供の喜ぶ顔を見ることができて本当に良かった。」と涙を流される保護者の話を聞くことができた。
「貸切リニモ」は乗務員の軽快なトークやデモンストレーション走行など、鉄道の枠を越えて一種のアトラクションのようなものになっているというふうに聞く。そこで、「貸切リニモ」とはどのような列車なのか。また、この「貸切リニモ」はどの程度利用されており、どういった方の利用が多いのか。さらに「貸切リニモ」の広報活動はどのように行っているのかについて伺う。
交通対策課
「貸切リニモ」についてである。「貸切リニモ」は、リニモ3両1編成を文字通り貸し切るもので、料金は、定員である104名までの利用で38,480円となっている。「貸切リニモ」では通常、無人運行のところを乗務員が添乗し、車内でリニモの魅力や秘密、例えば何ミリ浮いているのか、どうして小回りが利くのか、新幹線と比べて加速力はどの程度なのかなどについてわかりやすく解説するとともに、急加速や着地・浮上のデモンストレーションなどを行う。
利用実績であるが、平成26年度上半期で137便である。そのうち約8割が旅行会社を通じての申し込みとなっており、その半分が社員旅行や子供会などの団体利用、残りの半分は旅行会社が行う募集型のツアーとなっている。なお、平成25年度には年間158便の「貸切リニモ」を運行した。
最後に「貸切リニモ」の広報活動についてであるが、一番の利用者である旅行会社に個別に営業をしているほか、観光協会等が毎年、東京・大阪で開催する商談会などに参加しPRを行ってきており、そうした取組の効果もあって年々、利用が増えてきているところである。
要望である。リニモについては、第二次経営安定化策を着実に進めていただくのが何よりである。一方で、県が出資する鉄道会社であるので、誰にでも優しい鉄道、私は障がい者団体の方の話を聞いていて、これは素晴らしい、こういう活用の仕方があるのだなということを改めて感じたので、誰にでも優しい鉄道という視点であるとか、県ならではの鉄道といった視点を持っていただきながら、利用促進に努めていただきたい。