「愛知県警察待機寮整備運営事業損失補償」と「愛知県警察待機寮整備運営事業契約」について伺います。
はじめに、待機寮の老朽化に対し、建て替えが必要であると認識しております。その上で、警察にとっての待機寮はどのようなものなのでしょうか、また、現在の老朽化の状況について伺います。
【総務部長】
待機寮は、夜間等に事件、事故、災害等が発生した場合の初期段階に、迅速かつ集中的な警察活動に必要な体制を確保するための施設であるとともに、若手警察官等の修養の場としても位置づけており、警察力の確保と若手警察官養成のためには、重要な施設と考えています。
また、待機寮は47寮のうち34寮が経年40年以上であり、老朽化が顕著となっています。
本議案は、民間資金を活用した待機寮の事業契約に際しての債務負担行為とのことでありますが、この事業の内容と導入に至った経緯を伺います。
【総務部長】
事業の内容については、県が土地を事業者に無償で貸し出し、事業者が待機寮の設計、建築、維持管理を行い、入居者から家賃収入を得てコストを回収します。県は民間資金の活用により、支出を抑えることができます。
この事業を導入するに至った経緯は、老朽化等により耐震改修が不能とされたものや、耐震化しても効果が少ないものについては、建て替えを検討することとなり、支出を抑制した整備方法について調査、検討を行ったところ、民間資金を活用した整備手法が最も県費の支出を抑えることができることとなったため、導入することとなったものです。
県財政の負担が軽減されるとのことですが、今回のような契約形態をとっている他都道府県警察の事例はあるのでしょうか。
【総務部長】
宮崎県警察、新潟県警察、神奈川県警察、徳島県警察で実施しています。また、神奈川県警察は本県と同様に債務負担行為を行っています。
この事業が運用開始されることによって県が負担する歳出はどのようになるのでしょうか。
【総務部長】
県の歳出は、基本的には寮生に支払う住居手当のみです。ただし、寮の入居率が90パーセントに満たなかった場合は、その差額分を支出する必要があります。
また、事業主、本県警察のいずれかの債務不履行により契約が解除となった場合には、所有権の取得相当費用を負担する必要があります。
入居補償率を90%に設定されたという事ですが、一般の賃貸住宅や寮で考えると90%という数字はかなり高いと思います。もちろん、先ほどご説明いただいたように待機寮の位置づけが一般住宅や寮と異なる点は理解しています。その上で、現時点での待機寮の入居率を伺います。
【総務部長】
3月1日現在で102.1パーセントです。
今後40年間、高い入居率を維持するためには、若手警察官の安定的な確保が必要であると思います。「入居率の確保」ありきではありませんが、県警の基本目標である、「安心」して暮らせる「安全」な愛知の確立を行うためには、継続的に安定した採用が必要と考えます。お考えを伺います。
【総務部長】
平成28年春の組織改正において、警察本部警務課に採用センターを設置し、採用活動を強化します。あわせて、各所属長を採用活動の責任者とし、部内の意識改革も図っていきます。
また、警察署における体験型説明会や警察学校における見学会等の回数を増やし、積極的かつ組織的な採用活動を推進し、継続的に安定した人材の確保に努めていきます。