名古屋競輪場で発売している場外発売について何点か伺いたいと思います。
名古屋競輪場の場外発売は、2場売りのときと1場売りのときがあります。2場売りの場合は、開催される2場のレース状況が当然異なりますので、オッズ等を表示するモニターが半分に分かれたり発売締め切り時刻が異なったりして、場内は複雑な状況になります。名古屋競輪場にお越しになるファンは年々高齢化していることもありまして、こうした状況がわかりにくいという声がよくあると聞いております。
一方で、複数場売りを好むお客様は、サテライト名古屋を利用するという話も伺う中で、名古屋競輪場に足を運んでいただくお客様の声を大切にすべきと考えますが、この点についてどのようにお考えか、伺います。
【事業部長】
場外の2場売りにつきましては、複数のレースを購入されたいというお客様の声を多くいただいていたことから、私どもの競輪場名古屋競輪場では平成24年度に導入をいたしました。
当競輪場では、平成11年度から本場の発売をしながら場外の発売をする併用発売のほうを導入いたしておりまして、2場売りについては、お客様のほうでもそれほど違和感はないというふうに思っております。
ただ、2場売りがわかりにくいというお客様の声もあることは承知しておりますので、場外の2場売りをする際には、先ほどお話がありましたような、発売締め切り時間等、お客様の広報はしっかりやるように努めているところでございます。
2場売りと1場売りの実績を見てみますと、それほど売上げが変わらないように思います。一方で、2場売りは1場売りと比べて経費がかかりますので、実際に2場売りをすることによる収益は1場売りに比べて収益が上がっているのかどうか、この点を確認したいと思います。
【事業部長】
平成27年度のFⅠというグレードでの場外開催について申し上げますと、1場売りした場合と2場売りした場合比較いたしますと、売上げは5.8%増、経費は5.2%増であり、2場売りすることで1日当たり約6万円の利益確保につながっておるところでございます。
2場売りを行う場合、レースを開催している競輪場の立場になって考えますと、名古屋での売上げが半減することになり、好ましく思われないと思います。
例を挙げますと、例えば松阪競輪場のレースを1場売りにした場合に、名古屋での売上げが5,000万円だったとします。このときに、名古屋で同時に小田原の競輪場のレースを販売すると、おのおののレースの売上げは2,500万円ずつに半減してしまいますので、松阪競輪場から見れば、名古屋の競輪場が2場売りにしたことによって売上げが減ってしまう。これは松阪から見れば、名古屋よろしくないと思われちゃうという意味ですね。なので、このような2場売りを繰り返し行うと、相手方の競輪場からも、名古屋開催のレースは2場売り対応をしてしまうのではないかと、結果として名古屋開催のレースの売上げが伸びないのではないかと危惧するのですが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
【事業部長】
2場売りにつきましては、議員御指摘のような考え方もあるとは思いますが、別の立場の競輪場からしますと、本来ゼロ円であったものが2,500万円の売上げが出るというところで、名古屋競輪場のほうであくまで申し上げますと、先ほどお答えさせていただきましたように場外売上げが増えるということがあります。あと、他場さんにとりましても、それぞれの売上げは減るのですが発売の機会は増えるというところでありまして、私どもとしましてはプラスの効果があるというふうに考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
最近の傾向としまして、ビッグレースに本場開催を合わせる競輪場が多いと伺います。ビッグレースにつられて、本場レースの売上げも売れるために、各競輪場とも取り入れているそうですが、反面、売上げがビッグレースに集中せずに、せっかくビッグレースを開催しても、以前ほど収益が上がらなくなっているとも聞きました。
例えば、これも平成27年度で例を挙げますと、日本選手権が名古屋競輪場で開催されたわけですが、このときにほかの競輪場が本場開催を行うことで、この日本選手権の売上げが伸び悩むといった状況が起こると聞きます。こうしたことは、せっかくビッグレースを持ってきても、お互いの競輪場のためにならないのではないかと考えますが、施行者の間でこうした話とか調整とかできないのでしょうか。
【事業部長】
現在競輪業界では、日本選手権等ビッグレースに合わせて、全国いずれかの競輪場で普通競輪の開催をするという方向で日程が組まれております。
その目的につきましては、ビッグレースの場外発売の際に、多くのお客様が来場されるということで、そのお客様が来場されたことにあわせて本場開催をすることで、多くの方に生のレースを見ていただく機会を提供し、普通競輪の活性化につなげるということで、全国的にそのような形で取り組んでおります。ビッグレースだけを取り上げると、売上げが落ちるという面もないわけではありませんが、競輪業界全体としてお客様に生のレースを見ていただき、お客様により本場へ来ていただくということで、競輪業界全体として取り組んでいるところでございます。
続きまして、場外発売について伺います。オッズモニターを締め切り1分前に消して見えなくなっています。窓口でももう少し発売時間があるにもかかわらず閉めているというのが今の名古屋競輪場の実態だと伺っています。
直前こそ大きな金額が動く時間帯であります。なぜ、本当にぎりぎりまで窓口を開けていないのでしょうか。
【事業部長】
場外発売の締め切りにつきましては、レースを行っておる本場側から場外発売を行います各場に配られる時間割にのっとって締め切りのほうさせていただいておりまして、当名古屋競輪場におきましても、他場と同じ時間で発売を締め切っておるところでございます。
わかりました。続きまして、11月10日に行われました競輪事業活性化特別委員会の場で、私は、本競輪場に足をお運びいただきますお客さんの声に対応するための改修事例について伺い、そのときに、分煙を行ったというような回答をいただきました。
実際、平成27年度に行ったファンサービスに資する取り組みというのはどのようなものがあったのか伺います。
【事業部長】
昨年度のサービス向上の取り組みといたしましては、まず施設面で申し上げますと、議員のほうからお話ありました分煙化ということでございまして、分煙化につきましては以前からお客様の御要望が多い事項でしたので、平成26年度から取り組み、平成26年度には屋内の分煙化、平成27年度は正面スタンドの1階走路側に喫煙ブースを設置するということで、分煙化のほうに取り組んでおります。
それから、施設改修以外のサービス向上策といたしましては、お客様に楽しんでいただくための各種のイベントがございます。往年の名選手によるエキシビションレースとして、KEIRINレジェンドエキシビションを実施いたしまして、長年、名古屋競輪場に通っていただいているお客様からは大変御好評をいただきました。そのほか、地元の選手会のほうに御協力いただきまして、選手によるトークショーを行ったり、ふとももカフェという、選手が直接お客様に触れ合えるようなカフェを出店していただくことによりお客様に楽しんでいただいております。
先日、岐阜競輪場を訪問してきました。岐阜はファンサービスがいいとの声を聞いたからであります。
まず目についたのが、正面スタンド1階の投票所付近にたくさんベンチが置いてあった点です。これは、ファンの高齢化を考えて、できるだけ座る場所をつくろうというアイデアから設置したそうです。実際に大きな費用もかかるわけでもないので、それで着実にファンサービスにつながっている。まさに金がないなら知恵を出せという典型事例だと感じました。
一方で、特別観覧席をのぞくと、こちらには13インチのデジタルスクリーンが各テーブルに設置されて、自席でオッズをゆっくり見ることができるようになっていました。こちらは2年前に3,000万円かけて改修したそうであります。
名古屋競輪場の特別観覧席にも、以前は自席にモニターがありましたが、随分前から使用できなくなっていると伺っています。これ、大変みっともない状況じゃないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
【事業部長】
特別観覧席に設置されたモニターですが、名古屋競輪場では従前ブラウン管のモニターを特別観覧席の各席に設置いたしておりましたが、場内のデジタル化に伴い撤去をいたしました。撤去の際、新しいモニターに入れかえるかどうかの検討を行いましたが、当競輪場では大型ビジョンを設置しておりまして、特別観覧席からそれを見ることができまして、お客様が手元のモニターではなく大型のビジョンのほうをごらんになっているという現状がございましたので、入れかえを見合わせさせていただいた経緯がございます。
岐阜競輪場のほうはですね大型ビジョンがございませんので、その点で対応に差が出たものと考えております。
大型スクリーンを入れられたということでありますが、私も特別観覧席でいろんな席に座ってみましたが、席によってはビジョンが大変見えにくく思いました。また、実際に特別観覧席で観戦しているお客さんの中で大型ビジョンの画面を見ている人はあまりいませんでした。多くの人が、自席から立ってその観覧席にあるモニターを眺めているという状況で、わざわざ500円払って指定席を買っているのに、自席でオッズを見ることもできないというのはいかがなものかというふうに思います。ぜひファンサービスの観点をもっと持っていただきたいと思います。
モニターは、一例として取り上げましたが、例えば3,000円支払って入るロイヤルルームにはエスカレーターと階段を使わなければ行けないという点や、案内看板が少ないという点等々、さまざまな声を聞いています。
岐阜競輪場で伺った言葉で印象に残ったのが、市民目線ではなくお客様目線の感覚をいかに持つかということでした。
11月10日の活性化特別委員会の場において、お客様の声を拾うためにどのような取り組みをしているかという質問に対し、プロパーの職員の方からの声を聞く、あるいは従事員組合から声を聞く、派遣職員も現場の見回りをするといった回答をいただきましたが、実際どのようにこの取り組みを行っているのか、詳しくお伺いしたいと思います。
【事業部長】
お客様の声を聞くためにどのような取り組みをしているかということでございますけれども、職員が場内で直接お客様の声をお聞きする。それから、車券発売をしておる従事員、それから開催業務を委託しております委託業者、それからガードマン等から話を聞く。それから、場内に3カ所御意見箱を置かせていただきまして、随時お客様のお声をお聞きするように努めております。
また、先日千葉競輪場にも行ってみました。千葉競輪場を訪問したのは、運営が厳しいと言われている競輪場の様子を知りたかったからであります。
千葉競輪の状況を御説明しますと、施設の老朽化などによって大規模修繕費の財源が難しく、2018年度には赤字転落が予測されることから、2018年3月をもって、今廃止の方向で検討しているということです。その一方、国際規格にのっとった木製の競技場トラックを整備するという新たな存続策も模索しているそうで、いずれにしても、厳しい状況が続いている千葉競輪ということです。
そんな中でも、ホームページにある「あなたの千葉競輪場活用アイデアを募集!」というサイトでは、さまざまな分野で活躍される人による競輪場の活用事例や最近の改善事例というのが掲載されていて、正直なるほどと思う記載も多々ありました。
また、私が行った日は、千葉で初めてガールズケイリンが開催された日で、リオパラリンピック女子タンデム個人ロードタイムトライアルの銀メダリスト、地元千葉出身の田中まい選手が出場するとあって、平日にもかかわらず大変にぎわっていました。女性とか若い世代の方の姿も見られました。そういった意味で、名古屋でも地元の人気選手を活用した集客づくりというのも必要じゃないかと思います。
今月、岐阜と千葉の2場を伺いましたが、2場伺っただけでも気づくことがたくさんありました。実際に運営に当たられている皆さんであれば、もっと多くの気づきがあると思います。
そこで最後の質問ですが、どのように他場と名古屋の状況を比較して、名古屋に足りないところをどのように分析しているのか伺います。
【事業部長】
他場の取り組みということでいろいろ御紹介いただきましたけれども、私どもも、ビッグレースの際には職員が直接そこの現場に視察に行きまして情報収集を行っているほか、会議等、他施行者と会う機会というのは多くございますので、その際には、他施行者の方との情報交換は密にするようにいたしております。あと、関係団体である全国競輪施行者協議会等を通じまして、他施行者の取り組みにつきましては情報収集を行っておるところでございます。
そういったものを通じてどのような分析をしているかというところでございますけれども、競輪業界として経営が、売上げに若干の明るい兆しは見えるものの、非常に厳しい状況にあるというところで、どちらかというと、これまでは経費を削減して収益を確保する。もちろんそれは非常に大切なことではありますけれども、そちらに重きを置いてやってきた感があるかなと考えておりまして、議員のほうからいろいろ御指摘いただきましたように、他場さんのほうでもいろいろ積極的な取り組みをされているということですので、私どももそういった他場の取り組みを参考にしながら、経営環境が非常に厳しいところではありますけれども、費用対効果のほうも考慮しながら、取り入れることができるものにつきましては取り入れるように検討していきたい、このように考えておるところでございます。
最後に要望させていただきます。
今、部長がおっしゃったことをまさに要望しようと思っていました。競輪自体が今低迷して、この20年間で施行者の数も半減しているという状況ですけれども、一方で、一定のニーズはやっぱりあると思いますので、まさにこの時期が踏ん張りどころじゃないかと思っています。
他場のいいところは積極的に取り入れて、売上げ向上、来場者サービスの向上に力を入れて、その際にはお客様目線で現場の声というのをより強くした運営を望んで、質問のほうを閉じさせていただきます。ありがとうございました。